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2014/01/02

デルスウザーラ


デルス・ウザーラ (完全期間限定生産) [DVD]
B00ATY718Q


ずっと観てみたかった黒澤明のデルスウザーラ。

入手困難なこの映画が限定で復刻されていたことを知る。

お!っということで早速注文。田舎に住んでてもこんなのがあっという間に自宅に届くなんて便利な世の中。
宅配業者が荷物を取り間違えて中身が少年ジャンプだったってことも決して怒るに怒れないのが田舎に住む者の心情です。(すぐに取り替えてもらえたけどね。)

で、この映画。

原作を読んでる人から観ると「うん。原作に忠実ですな。」、「さすが黒澤。きれいな映像だ。」という感じです。

まったく原作を知らない人間が観るほうが良いのかも。

だけど買う価値はあったな。

デルスにいつでも会えるなんてうれしいじゃないか。



2013/12/30

音遊び

きょうは大掃除。

小さいながらも一軒家なので今まで見て見ぬ振りをしていたところもすっきりきれいになっていい気持ちでテレビをつけながら年賀状を書いていた。

そしたらものすごい「音」が画面の中で。

「音遊びの会」

主催するミュージシャンのコメントにものすごく共感するとともにこの「音」に魂を揺すぶられた。

音楽は言葉より前か、あるいは同時に発生した。

そこには自分が何者であるか、相手に何を求めているかといったコミュニケーションの要素が含まれている。
それとともに「音」をつむぎ合わせることでその空間と他者とを共有していくものであった。

障害を持つものと同等になることとの闘いであるという姿勢がもたらす豊かさ。

「音遊びの会はこのままでいい。だって、もう最高なんだから。でも、これを見た誰かがきっと新しい扉を開くことになると思う。」

音楽が生まれるその世界。

それは障害者の音では決してない。

自らの音を表現し、共有すること。

その扉はきっとずっと開かれているのだと思う。

それを音遊びの会が教えてくれているのかもしれない。








2013/12/08

忘年会@町内会 『岩に立つ』より

所属する町内会の今年度最初で最後の行事、忘年会に出席。

年寄りばっかのメンバーと酒を飲みながら昔の話題に花が咲く。

さて、職場のある町からは大雪山から十勝岳連峰までを見渡すことができ、写真の町とかで売り出したりしていて町は大人気でシャレたカフェや雑貨屋が続々オープンしている人気の町。

しかし、地元の人間は山にはあまり関心がなく「いや~今日は山がきれいに見えますね~」などと話しかけても「ん?あぁ、そーだな。」くらいの反応。

最高のロケーションに位置する家も山に背を向けたような間取りになっていることがほとんどで、旭岳くらいはしっていてもそれ以外の山の名前はまったく知らない人が大勢。

それは隣の谷のこの集落でも基本は同じ。

おしゃれなお店など皆無で、人は減る一方。
おまけに十勝岳連峰は見えない。だけど谷の間にそびえる大雪山の眺めは最高だと俺は思っている。

で、忘年会で「ぼくはここが好きですよ。ここから見える大雪山が一番美しいと思います」と言ったところ彼らが思いのほかに山を愛していたことがわかった。

「どこどこから見る山が一番きれいだ」、「いや、あそこもいいぞ。」、「ともかくココはいいとこだなぁ」と。

70歳くらいがこの感情をもっているかどうかのボーダー。
でも、気づいていないだけでココで生まれ育った人間の心には山があるのだ。



岩に立つ (講談社文庫)
三浦 綾子
4061833561

『・・・入った所がこの旭川の目と鼻の先の米飯でした。米飯に開拓農家に入ったわけですよ。ご存知のとおり米飯は、大雪山がすぐ目の前にある山間の村でしてね。晴れた日にゃ、いやでも大雪山が目に入る。真っ白に雪を冠った頃の大雪山ときたら、もう気高いってぇ言うのか、荘厳ってえ言うのか、あっしの口なんぞじゃ、到底表現できるもんじゃありません。とにかくあの大雪山を、餓鬼の頃でも、心打たれてじっと眺めていたもんでした。』

2013/04/12

本の虫


なかなかゆっくり本を読める時間もとれなかったのでここはひとつびっしりと読書。

図書館から借りたり、古本屋で買ったり、アマゾンで買ったりと読みまくった。

ほんとは一冊ずつ感想を書くべきなのだが、そんなことより今は本の虫になろう。


木の本。林業の本。土質の本。テレマークの本。陽殖園。宮本常一。更科源蔵。ドストエフスキー。。。

ぜんぜん消化しきれてないけど、久しぶりに読みまくった。
こんな時間も必要だ。


『たとえば私たちは、水が凍ると氷になると思っていますが、永い間、冬の永い土地で生活をしてきたアイヌの人たちは、氷の解けたのが水だと考えています。』

更科源蔵、北の原野の物語より



2013/02/14

伐倒の研修


4881382861小田桐師範が語る チェーンソー伐木の極意
小田桐久一郎 聞き手 杉山 要
全国林業改良普及協会 2012-12-14

林災防の講師による緑の雇用の実地研修。
(私の講師はこの本の小田桐さんではありません)

これで今年5回目になるのかな?

この講師の技術力に関して(伐倒の技術および指導の技術)はいまだに半信半疑なのだがやる気は感じられるので嫌いじゃない。

教えてもらう立場としてはひどく傲慢なものの言い方だけど緑の雇用の研修はそれくらいひどい内容なのだ。
教えてもらうほうも教える方もイーブンな関係であるべきだ。

だから、自分はときたま講師を試すような質問をする。

それで納得できるような答えがきたら自分は素直にそれを受け入れるし、意味不明な答えが返ってきたら納得できるまで質問する。

生意気だと思われてもいい。こっちは本気なんだということをわかってもらいたい。
 
後日、会社の専務から「講師のYさん実は今年で林災防を辞めようとしてたんだけど、研修終了後にもう少しやってみようかなって言ってたよ」と。

それがどういう意味なのかよくわからないけど小田桐師範の本を読んだと言ってたからなんか変わったのかもね。
それと俺みたいなのもいるんだってことも少しはあのかな??

個人的には小田桐さんの本はいまいちだったな。
小田桐さんはおそらく素晴らしい人なんだろうけどあの編集とあの体裁で1900円の価値はないわ。

全林協の本ってどうしていつもこうなんだろう。
とりあげるテーマは興味深いのだけどタイトルとかデザインとかが最悪。
中身もタイトルに負けてしまっていることが多い。そのうえ値段が高い。
残念だね。


2012/11/28

Spectator Outside Journal


なんとなく立ち寄った本屋で目に留まったSpectatorの最新号。

今まではなんとなくオシャレ系のサブカル雑誌だろうと興味ももっていなかったけれど表紙のデザインで心を引かれ、目次を見てさっさと購入。

読んでみてすこぶる感心した。

「あ~、やっぱりわかってる人はわかってるんだ。」


山に向かう理由は人それぞれだけど、オシャレな感覚ではありえない。

原発反対!と文句だけ言う人。

ゴアテックス、ビーコン、レイヤリング・・・アウトドア業界に洗脳される登山。

ここに紹介されている人たちはみな自らで考え、答えを出し、山に向かった人々。

自分が変わらなければ世の中は変わらないと信じている人々。

そして、その信念の根底に共通してあるのが「おもしろいからやる!」ってこと。

インタビューも編集もデザインも素晴らしい。

ひさしぶりに良い雑誌に出会えた。








2012/11/17

バンフ in ひがしかわ


岐阜に住んでいた頃は名古屋まででかけていって見に行ってたBanff Mountain Film Festival。
いまは仕事もあるし札幌までいくのはなかなか大変。
そんななか過去の作品だけど職場のすぐ近くで自主上映会があるというのでありがたく参加した。

祭りか?というくらいの人の数にアウトドアの高まりと東川の盛り上がりを感じた。

懐かしい人の元気そうな顔も見れてよかった。また、来年もやってほしい。


2012/07/25

山との付き合い方














山と猟師とケモノたち (1979年)
南雲 藤治郎 山本 福義


上越の猟師の聞き書き。

やっぱりホンモノの話はおもしろい。

日ごろ山へ行ってはいるけど自分が一番したいのは何かって考えると「ハンティング」かもしれないと思うことがよくある。

頂を目指す登山やクライミングもおもしろいのだけど道なき道を突き進み山の生命を感じ取るような瞬間が一番ゾクゾクするからだ。

でも、この本を読んで思う。

「遊びでできる世界じゃない」 と。

生きるか死ぬかでケモノを追うくらいの覚悟がなければだめだ。

それをつきつめるとやはり登山やクライミングにたどりつくのかもしれない。

生きるか死ぬかの覚悟で頂を目指す。

趣味を越えた何かの世界。

でも登山はやはり自分だけの世界。猟師は生き物を相手にした世界。その差は大きい。

まぁ、これからも自分なりの山との付き合い方を求めていこう。

それにしても彼らの山の歩き方についての話はとってもためになる。

雪崩のこと、岩場の歩き方、テントの張り方などなど。

どんな登山雑誌なんかより勉強になった。













2012/05/01

タイトルがおかしい

明日なき森―カメムシ先生が熊野で語る
吉田 元重 玉井 済夫
4794807821


良い本を借りた。

こういう山を知り尽くし、ひとつのフィールドにこだわった人の声をもっと大事にすべきだ。

だけどこの本は講義録を加筆したものだから編者の意図が見え隠れする。
(タイトルからしてそうでしょ?)


カメムシ先生はおそらく林業に対して否定的な意見はもっていない。
むしろ好意的にとらえているとおもわれる。

戦後拡大造林に対する否定的な意見もあくまでも「ムシの代弁」と断っている。

でも、あまり理解のないひとがこの本を読んで「山のてっぺんまでスギ・ヒノキを植えている今の林業はなんてダメなんだ!」と思うこともあるかもしれない。

戦後の拡大造林を否定することはたやすい。

それを林業のせい、政治のせいにして文句を言って自然が良くなるのならそんな簡単なことはない。

木を伐って植えてしまったものをどうしたらいいか?

その答えを実行しようとしているのが今の林業界なのだ。

林業界の全員がそう思って働いているとは言わないけれど「文句を言うまえに行動を起こせ」という人がこの林業界には大勢いるのは確かだ。


それと木を植えすぎたのは事実だけどあそこまでよく植えたものだと植林経験のある人は感心せざるを得ない。

道もない深い山の隅々まで重い苗木を背負ってクワ1本で植えていった先人の努力を「環境に悪い」といって見殺しにしてよいものだろうか?

戦後の日本を救うのは木材だと彼らは信じていたはずだ。

こんな山奥に木を育ててどうやって伐出するの?尾根や谷までスギヒノキを植えてどうするの?

そんなことは彼らもわかっていたはずだ。でも、彼らはこう信じていたはずだ。

「この木が育つ50年後には科学の力で解決しているはずだ」って。


結果はご覧のとおりだけど、ただ否定するだけでなくて今ある資源をいかに環境に負荷をかけずに活用していくかを追い求めていくひとつの行動が林業なんだと自分は胸をはって言いたい。


なんとなくこの本だけを読んだ人が林業を否定する考えに走りそうな気がしたのでこんなことを考えてしまった。

それとカメムシ先生の師匠である太一ちゃんのような人間に心底じぶんは心惹かれる。
忘れられた日本人だ。



2012/04/04

ダムもいらない

4093665400ダムはいらない! 新・日本の川を旅する
野田 知佑
小学館 2010-02-03





たしかにダムはいらないな。

日本全国ダムだらけ。

北海道もダムだらけ。

岐阜に住んでた自分としては北海道の川はなおさらひどく見える。

北海道の生きた川を見たい。

きっと自分が知らないだけで素晴らしい川はどこかにあるはずだ。

でも、長良川のように人との距離が近い川は北海道にはないんだろうな。

それは仕方ないか。

北海道にそこを求めてはいけませぬ。。


2012/04/02

カムイミンタラ

北海道の旅 (1979年) (新潮文庫)
更科 源蔵
B000J8FPH6

少し前の北海道。その土地の広がりとそこに生きる人々。

いい本だ。

「カムイミンタラ」 を 「神々の遊ぶ庭」 と訳し、さも美しいところとしてアピールしていることが多いけどその本当の意味を知ればとんでもない誤訳であることに気づく。

アイヌの人にとって「カムイ」という存在がどんなものであるかもっともっと知る必要がある。

2012/02/25

森聞き






見たかった映画。

友人が自主上映会をすることになっていたけど都合がつかなくなりあきらめていたらなんと薪フォーラムの同じ会場で上映会が!

しかもそこにはあの渋沢寿一さんが!

彼は旭川のNPOかわうそ倶楽部  の副理事をやっているらしく旭川にもちょくちょく来るという。

渋沢さんの講演を聴きやはり心に沁みた。

そしてその後の映画も心に沁みた。

ホンモノに触れたときに感じるものはホンモノだ。

それは理屈じゃない。


自分がやりたいのは林業とか田舎暮らしとかフリーライフとかじゃない。

生きる知恵を身につけたいだけなんだ。

生活をクリエイトする力だ。

その先に林業があり山があり生き様がある。








2012/02/14

スキーは爆発だ!



万博記念公園で太陽の塔を見てから岡本太郎がただものではないことはわかっていたけど
最近この鐘を知り、もう彼のことが気になってしかたがなくなった。


眼―美しく怒れ (実学創書)
岡本 太郎 岡本 敏子
4805003235


とりあえず図書館にあった本に目を通してみてやはり彼の考え方は俺の心にズバーンと入ってきた。

真剣に遊ぶ。命を懸けて遊ぶ。人生を爆発させる。

自然とそれは芸術になるのだ。


彼のスキーに対する文章を読んで最近自分が“うまく滑る”ことにとらわれすぎていたと反省。

スキーを始めた頃のように滑れもしない斜面に飛び込んで深雪にまみれてきた。

これだよ!これ!!

ほとばしる情熱、エネルギー、パワー。

瞬間瞬間に命をかけて生きることが芸術なんだ。スキーなんだ。人生なんだ。






2012/01/22

Baka Beyond 俺はその馬鹿になる

泥流地帯 (新潮文庫)
続・泥流地帯 (新潮文庫)
三浦 綾子

4101162069  4101162077

三浦綾子は旭川出身。
彼女の作品はとても好きだ。そんな彼女の作品をここ旭川で読む。

「自分の命より大切なものを持つことの強さ」

三浦綾子の作品から共通して感じるメッセージだ。

そしてこの作品もそう。

先日の東日本大震災ともラップして涙がとまらなかった。

(描写がかなりリアルなので被災者のひとにはまだ薦められないかも。もうすこし時間が経てばものすごいパワーを与えてくれるはずと思う。)


まじめに生きたからといって報われるわけじゃない。

それでも信念をつらぬいて生きていくことは美しいのだ。

それがひとの心を動かすのだ。

それが家族でも、友人でも、愛する人でも、宗教でも、仕事であってもいい。

自分を勘定にいれずに生きていける人は何よりも強い。

自分は兄・拓一のようには生きられないけれど、少しでもそうありたいと思って生きていたい。






「大変だからと言って投げ出せば、そりゃ簡単だ。しかしなあ俺は思うんだ。大変だからこそ、いや、大変な時にこそ持ちこたえる馬鹿がいないと、この世は発展しないんじゃないか」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「俺はその馬鹿になるよ。馬鹿になるんだ。な、耕作」

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「俺はいつも思うんだ。生きてるくせに文句を言うなとな」

「生きてるくせに文句を言うな?」

「うん。あの時死んだ人たちは、みんなそう言うだろうと思ってな」


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「三年経って、もし実らないとわかったら、その時は俺もあきらめる。すると人は言うだろう。その三年の苦労は水の泡だったってな」

「そりゃあそう言うさ」

「しかし、俺はね。自分の人生に、何の報いもない難儀な三年間を持つということはね、これは大した宝かも知れんと思っている」

「宝?」

「うん、宝だ。たとい米一粒実らなくてもな。それを覚悟の上で苦労する。これは誰も俺から奪えない宝なんだよ。わかるか、国ちゃん」

「・・・・・・」

「実りのある苦労なら誰でもするさ。しかし、まったく何の見返りもないと知って、苦労の多い道を歩いてみるのも、俺たち若い者のひとつの生き方ではないのか。自分の人生に、そんな三年間があったって、いいじゃないか。俺はね、はじめからそう思っているんだ」




2011/12/01

植村直己について



北極点グリーンランド単独行 (1978年)
植村 直己
B000J8LNVI

植村直己に好感をもてるのは鉄のような強い意志を持ちつつも「自分の弱さをさらけだせる」ところ。

冒険家や登山家の本などを読んでいてときおり残念に思うことがある。


・自然への謙虚さを説きつつも人間に対しての謙虚さが感じられない

・・・行間に山を登らない人間を見下しているようなところが見えたりすると残念に思う。

・文章が拙い

・・・せっかくの人柄(?)なのに伝わらない、むしろかえって誤解を招く。
こればっかりはしかたがないことかもしれないけど、インタビュー形式などにしたりと工夫はできるはず。(でも、こういう人たちは良くも悪くも偏屈な人が多いからね。。)


いずれも直接会えば素晴らしい人なのだろうけど本を通してしか会えない人はどうしようもない。
(もう亡くなっている人も多いし)

そうしたなかで植村直己の本はとても好きだ。本を通して植村直己のことをどんどん好きになれる。

文章力は決して高等とは言えないけれど、自分のことばで語っているし、伝えたいことは山ほどあるはずなのに潔く削っているから余計に伝わってくることがある。

自分の弱さをさらけ出せるというのは非常に勇気のいることだと思う。
どんな人だって弱いところはあると思う。それを受け入れながらより強くなろうとする姿勢に自分は価値を置いている。

せっかくなのでその一部を転載しておく。


2011/11/30

どろ亀さん



どろ亀さん、最後のはなし―夢はぐくむ富良野の森づくり
高橋 延清
4783502307

どろ亀さんを知ったのは何年前だろうか?
そのときは森林の世界に自分が身を置くことなど考えてもいなかったし、北海道に住むことになるとも思っていなかった。でも、ブラウン管に映るその不思議なおじいさんのことは強く頭に残っていた。

林分施業法といった天然林施業の詳細を自分はまだ学んではいない。
その概要は私の知る限り新しい技術でもなんでもない。
だけど、それを実行することは非常に難しい。
東大演習林のような広大な森林ではなおさら難しい。

大切なのは林分施業法という理論を理解することではなくどろ亀さんの言う学び方を実践することだろう。

森を歩き、森を見て、気づき、考える。書物や理論はその後だ。


どろ亀さんも仕事はちゃんとしていたことだろうけど、いつも酒飲んでて論文も書かずに東大の教授を全うしたのだからそれを受け入れる時代の懐の深さに感動する。

そうした懐の深さが天才や世紀の発明、発見を産むんだろうな。

いまの時代は難しいのかもしれないな。


2011/11/28

ヒグマ学入門



ヒグマ学入門―自然史・文化・現代社会ヒグマ学入門―自然史・文化・現代社会
天野 哲也 間野 勉 増田 隆一

北海道大学出版会 2006-10

今まで読んだヒグマ関係の本のなかでは一番客観的で学術的であり、参考になった。
生態、民俗・文化、社会学など総合的にヒグマをとらえており入門書としては最良。

ただ、執筆者のひとりの登別クマ牧場の人はやはり個人的な思いが強すぎてバランス感を著しく欠如させている。
ヒグマに関する本にはこの人はよく執筆しているようだけど学術書には不適だ。
個人的にも苦手なタイプ。


で、今回の本で学んだこと。

P8. 縄張りは見られない
・・・さら~っと書かれていたけどヒグマは縄張りを持たないの?だとしたら俺のヒグマの行動に関しての認識はだいぶ変わってくる。


サケについて

・・・サケは自分が産まれた湧水の匂いを頼りに川に帰る。つまり、湧き水のあるところに産卵する。よって、今年忠別川に帰ってきたサケは産卵できない。

・・・今後サケ科魚類の遡上量が増加し、ヒグマがそれを求めて河川を利用するようになれば、人との軋轢が増加し、クマの死亡数が増加するという結果にもなりかねない。

・・・夏の時期は森も食べものが減るのでアリなどの昆虫を食べるが行動圏に高山があれば高山植物を食べる。(ベリー類もそうだが高山では夏でもまだ草が青いから草を主に食べる)

・・・高標高域の高山植物や、河川を遡上するサケ科魚類も利用できない地域のヒグマにとって、晩夏に利用可能な採食資源となっているのが、農作物なのではないか。

・・・ヒグマが利用しているエゾシカが駆除や狩猟の残滓である場合、駆除残滓は農地付近に多く、狩猟残滓は林内でも道路や河川沿いに多い傾向にある。これらを利用した結果、人間との出会い頻度が増加することで駆除による死亡率が増加する可能性がある。

・・・やっぱりダムだ。たとえダムに魚道をつくったとしてもダムがあることにより水の流れが変わりサケの産卵に適した場所が失われているためサケが自然に戻ってくることはありえない。


川について

・・・長良川という川がいかに素晴らしい川なのかを北海道に来てあらためて感じている。
原始のままの川は北海道にはどこかにあるのかもしれないけど、それにはさほど魅力は感じない。
(もちろん行ってみたいし遊んでみたい。でも、その川の近くに住みたいとは思わない)

川と山と人と野生動物がゆるやかに密接につながっている空間に自分は魅力を感じる。


広葉樹とDie back



イタヤカエデはなぜ自ら幹を枯らすのか―樹木の個性と生き残り戦略
渡辺 一夫
4806713937


森林インストラクターの著書。
森林のことを何も知らない人が読んでもおもしろいだろうけど、それなりに知っている人が読んでもおもしろい。

このひとは実によく知っているのだな~と感心した。勉強になった。

タイトルにもなっているイタヤカエデについては die back のことなのだが、ここのことをきちんと理解しておかないと森づくりはできないと考えている。

「広葉樹の豊かな森にしたい。だから、広葉樹は全部残して!」という森づくりのニーズがある。

でも、「広葉樹ならなんでもいいの?」という疑問もあるし、広葉樹の稚樹や幼樹は伐ったってすぐまた生えるのだから広葉樹をわざわざ残すという手間をかける必要はないのではないか?

そのあたりを知識としてきちんと身につけたい。
(樹種による違いやその生長の速さなど)

そして、それを経験として身につけたい。

学ぶことは山ほどあります。


2011/10/06

I never ever saw the northern lights

ノーザンライツ
ノーザンライツ星野 道夫

新潮社 1997-07


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星野道夫の友人たちの話が中心なんだけど、それぞれが実に魅力的に描かれている。 

確かに魅力的な人が彼のまわりにいたということに変わりはないけれど彼は人の魅力を引き出すことができる人間なのだと思う。

それこそが星野道夫の魅力なのだと思う。


ある人から見れば普通の人だったり、嫌悪感すら抱くような人ですら星野道夫はその人物の魅力を見いだし、素直にその人物を好きになれる。


欠点や短所に目をつむるというよりはそれすらも受け入れることのできる人間なのではないか。

それが星野道夫の世界には流れていると再確認できた本だ。


完全な人間なんていやしない。
美化するだけなら簡単だ。
人間臭いつき合いができる人間でありたい。




ところでオーロラって英語でNorthan Lightsだったのね。
PhishのFarm houseの意味がようやくわかった。




2011/09/25

美しく生きる

NHKスペシャル「クニ子おばばと不思議の森」を見た。

現在日本で唯一、焼畑をおこなっている椎葉村の老女の特集。

30年周期で森を焼き、ソバ→ヒエ→アズキ→大豆と収穫しまた森に戻す。
そんな焼畑を何十年も続けている女性がいると知って椎葉まで行こうと思って結局行けなかった。

その人がたまたまつけたテレビで特集されてた。

アグロフォレストリーとか文化とか民俗とか自然農法とか地球にやさしいとか。。

そんなことはどうでもよくてクニ子おばばと椎葉の谷がただただ美しかった。

それがすべてだと思う。


美しくありたい。

そうみなが思って生きていけば行きつくところはきっとあんな感じだと思うのだ。