吉田 元重 玉井 済夫
良い本を借りた。
こういう山を知り尽くし、ひとつのフィールドにこだわった人の声をもっと大事にすべきだ。
だけどこの本は講義録を加筆したものだから編者の意図が見え隠れする。
(タイトルからしてそうでしょ?)
カメムシ先生はおそらく林業に対して否定的な意見はもっていない。
むしろ好意的にとらえているとおもわれる。
戦後拡大造林に対する否定的な意見もあくまでも「ムシの代弁」と断っている。
でも、あまり理解のないひとがこの本を読んで「山のてっぺんまでスギ・ヒノキを植えている今の林業はなんてダメなんだ!」と思うこともあるかもしれない。
戦後の拡大造林を否定することはたやすい。
それを林業のせい、政治のせいにして文句を言って自然が良くなるのならそんな簡単なことはない。
木を伐って植えてしまったものをどうしたらいいか?
その答えを実行しようとしているのが今の林業界なのだ。
林業界の全員がそう思って働いているとは言わないけれど「文句を言うまえに行動を起こせ」という人がこの林業界には大勢いるのは確かだ。
それと木を植えすぎたのは事実だけどあそこまでよく植えたものだと植林経験のある人は感心せざるを得ない。
道もない深い山の隅々まで重い苗木を背負ってクワ1本で植えていった先人の努力を「環境に悪い」といって見殺しにしてよいものだろうか?
戦後の日本を救うのは木材だと彼らは信じていたはずだ。
こんな山奥に木を育ててどうやって伐出するの?尾根や谷までスギヒノキを植えてどうするの?
そんなことは彼らもわかっていたはずだ。でも、彼らはこう信じていたはずだ。
「この木が育つ50年後には科学の力で解決しているはずだ」って。
結果はご覧のとおりだけど、ただ否定するだけでなくて今ある資源をいかに環境に負荷をかけずに活用していくかを追い求めていくひとつの行動が林業なんだと自分は胸をはって言いたい。
なんとなくこの本だけを読んだ人が林業を否定する考えに走りそうな気がしたのでこんなことを考えてしまった。
それとカメムシ先生の師匠である太一ちゃんのような人間に心底じぶんは心惹かれる。
忘れられた日本人だ。
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