デルス・ウエーダがマナスルで凍傷になったと聞き見舞いに行く。
電話ではかなり落ち込んでいたので心配だった。
もともとアル注気味の彼はやはり朝から酒を飲んでいた。
10本の指が凍傷にかかり左手のほとんどと右手の少しを切り落とすことになりそうだという。
マナスルでは先行のパーティーが雪崩に巻き込まれ12人が命をなくした。その雪崩がデルスの目の前を通り過ぎていったという。
それでも予定通りマナスルのピークを目指し猛烈な風と低酸素でふらふらになりながらも登頂を果たしたという。
下山しようとした時に自分の手の異常に気づき、ヘリで緊急下山となったとのこと。
アコンカグアにも登っている彼だけど7000mと8000mでは別の世界だという。
もう、高い山はたくさんだという。
離婚して独りででかい家に住んで酒ばかり飲んでいる彼だけど最後にこう言った。
「まぁ、右の人差し指はなんとか切らずにすみそうだから、今度鹿撃ちに行こうな。」
おみやげにでっかい白菜をまるごともらい、彼はまちがいなくまた山に登ると思いながら彼の家を後にした。
山に憑かれた男は山でしか生きられない。
山に逃げるような男なら次は指だけではすまされない。
デルスは山の男だ。
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