彼がそう言ったのは昨年のことだった。それから1年足らずでその場所を見つけ、小屋を建て、井戸を掘っているという。
これは行かねばならぬ。と思いつつも片道7時間の道のりは週休1日の自分には厳しかった。
雪が降る前に。と、貴重な連休となったこの日に行ってきた。
そこには小さいながらも立派な小屋が建っていて、ヤチダモやナラなどがまばらにはえていてそのあいだを縫うように小川が緩やかに蛇行して流れている。
「この川に秋味(サケ)が登ってくるんだぜ」
その日は秋味を見ることは叶わなかったけど近くの川でアメマスを釣りに行ったら秋味が必死に産卵していた。
手掘りした井戸水でビールを冷やし、焚き火をしながら釣ったアメマスをあぶりながらこの土地の未来を語り合う。
彼の嫁はこう言って笑う。
「これだけの田舎に生まれ育ってるのにさらなる田舎を求めるなんてどうかしてる。」
都会とか田舎とかの問題じゃなくて、それがただ単におもしろいからやってるんだ。
「生きる」という行為そのものが楽しいと思えるための手段。
そんな遊びを実践している人間がこの土地には少なからずいる。
この土地に住んでよかったなって思える。そして俺も早く遊び場を手に入れたいと改めて思う。


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